東京大学政策評価研究教育センター

CREPEフロンティアレポートシリーズ

CREPEフロンティアレポートシリーズは以下の3つのコーナーで構成されており、各コーナーを個別にクリックしてご覧いただけます。
  1. Executive Summary:論文の概要を非常にコンパクトにまとめています。
  2. 背景:論文を執筆した著者の動機やきっかけ、関連する社会・経済問題について簡単にまとめています。
  3. 論文プレビュー:論文の問題意識、データや分析方法で工夫した点、重要な論点と主要な分析結果、現実への示唆など、特に重要ポイントに絞って論文の内容をまとめています。


CREPEFR-16:サプライチェーンに潜むリスク――東日本大震災の経験からのメッセージ
Vasco M Carvalho(University of Cambridge)・楡井誠(東京大学)・齊藤有希子(早稲田大学)・Alireza Tahbaz-Salehi(Northwestern University)
2021.6.21
東日本大震災による被害は全国へ波及し、マクロ経済を大きく後退させた。その背後には、企業間の取引関係のつながりであるサプライチェーンの存在がある。本研究では企業単位のビッグデータを用いて、ショックが被災企業から全国に伝播したメカニズムとその大きさの評価に挑む。



CREPEFR-15: メタボ健診の保健指導に効果はあるか?:エビデンスを活用した制度の改善を
福間真悟(京都大学)・飯塚敏晃(東京大学)・池之上辰義(京都大学)・津川友介(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
2020.12.4
メタボ健診・特定保健指導は、国が一律で義務づける全国民を対象とした大規模な政策介入だが、はたしてどの程度、人々の健康改善に効果があったのだろうか? 大規模な健康診断データを用いて因果関係を吟味し、効果の有無・大きさと制度の改善点を考える。



CREPEFR-14: 行政データを活用した実証研究(2)――がんサバイバーの復帰後の仕事環境
Eskil Heinesen(Rockwool Foundation)、今井晋(北海道大学)、丸山士行(シドニー工科大学)
2020.4.6
がん罹患者の仕事復帰を左右する要因は何か? 従来は教育水準が重要とされてきたが、病院記録などの行政データを駆使して、新たに仕事の内容やスキルに着目してその要因を探る。教育水準と仕事内容の関係をふまえて、がんサバイバーが直面する労働市場での問題のメカニズムが明らかに。



CREPEFR-13: 行政データを活用した実証研究(1)――「出生時体重研究」を問い直す
丸山士行(シドニー工科大学)、Eskil Heinesen(Rockwool Foundation)
2020.4.6
出生時の低体重は、子どもの健康や将来にどんな影響を及ぼすのか? 従来から双子のデータも利用され、研究が蓄積されてきたこのテーマを、行政データから問い直す。約30年間、200万件もの親子のデータを駆使し、前置胎盤の症例記録を用いた新たなアプローチで検証する。



CREPEFR-12: なぜ北欧諸国で行政データの活用が進むのか?:デンマークの経験から学ぶ
丸山士行(シドニー工科大学) 
2020.4.6
北欧、そして欧米等でも進む行政データの研究利用。日本でも議論が始まりつつある。本稿では、そもそも行政データと何か? なぜ研究で必要とされるのか? 利点や問題点は? などのさまざまな疑問を、デンマークの行政データを駆使して研究に取り組む丸山氏が解説(収録日:2020年1月15日)。



CREPEFR-11: 企業に向けた政策で高齢者就業は促進されるのか?
近藤絢子(東京大学)・重岡仁(サイモンフレイザー大学)
2019.11.21
高齢化が進む日本では、「より長く働ける社会」を目指した政策がさまざまに実施されてきた。特に話題となったのは、2006年に65歳までの雇用確保措置を義務づけた高年齢者雇用安定法の改正だ。はたして60代前半の雇用を促進する効果はあったのか?実証分析で、この政策を評価する。



CREPEFR-10: 正規・非正規の間の雇用調整における格差は存在するか?――為替レートの変動を利用した分析
横山泉(一橋大学)・比嘉一仁(内閣府経済社会研究所)・川口大司(東京大学)
2019.4.24
正規と非正規の間の格差はどの程度存在するのか? またなぜ生じるのか? 為替レートの変動という外生的なショックを利用した因果分析でそれを明らかにしたうえで、現在好調に見える日本の労働市場の脆さをあぶり出し、警鐘を鳴らす。




CREPEFR-9: 東日本大震災の経験は人々の「リスク」に対する考え方をどう変えたか?
著者:花岡智恵(東洋大学)・重岡仁(サイモンフレーザー大学)・渡辺安虎(東京大学)
2019.1.22
大きな自然災害の経験によって、経済行動に関する好みや考え方はどのように変わりうるのだろうか? 精緻に設計された調査データを用いて、東日本大震災前後での人々のリスクへの向き合い方の変化を検証し、災害が人々の心理に残す影響に迫る。



CREPEFR-8: 育休を延ばせば女性は働きやすく・生みやすくなるのか?
著者:山口慎太郎(東京大学)
2018.11.30
2013年4月、安倍首相は女性活躍推進のために育休を1年から3年に延長する要請を経済界に行った。今も未実現のこの施策。本当に女性が働きやすくなるのか? 経済理論とデータに基づくシミュレーションで、この問いに挑む。



CREPEFR-7: 保育所は幼児教育の場として子どもと親にどのような影響を及ぼすか?
著者:山口慎太郎(東京大学)・朝井友紀子(東京大学)・神林龍(一橋大学)
2018.10.26
子ども・子育て政策は親の就業支援だけでなく、幼児教育の場でもある保育所を利用する親子の増加を通じてさまざまな効果をもたらす。保育所通いは、子どもの成長・発達や親の行動・精神状態をどのように変えるのだろうか?


CREPEFR-6: 保育所拡充の就業支援が効果的なのはどんな家庭の母親か?
著者:山口慎太郎(東京大学)・朝井友紀子(東京大学)・神林龍(一橋大学)
2018.10.26
女性活躍推進を目指して進められてきた一連の子ども・子育て政策だが、すべての家庭・母親に等しく効果が発揮されるわけではない。各々が個別に抱える事情をふまえると、政策はどんなに家庭に最も効果的に機能するのだろうか?



CREPEFR-5: 時間・混雑プレッシャーがかかる中で商品オススメに効果はあるのか?
著者:川口康平(香港科技大学)、上武康亮(イェール大学経営大学院)、渡辺安虎(東京大学)
2018.10.26
どんなに膨大なデータがあっても、明確な問題意識と緻密な計画がなければ宝の持ち腐れだ。経済学者たちは、エキナカ自販機の販売記録のビッグデータという宝をどのように操って、オススメ表示販促の効果を読み解いたのだろうか?



CREPEFR-4: 資産バブル、内生的成長、金融市場の摩擦
著者:平野智裕(東京大学)・柳川範之(東京大学)
2018.10.24
しばしば大規模な金融危機につながるバブルはなぜ発生し、どのようなきっかけで崩壊するのか? また、どのような影響を社会・経済にもたらすのだろうか? 金融システムの発展度合いの高低を軸に、驚きの発見を導く。



CREPEFR-3: コミュニティ・ユニオンにおける協調達成のメカニズム:世代重複型のくり返しゲームによる解明
著者:神取道宏(東京大学)・大林真也(青山学院大学)
2018.10.24
企業別労働組合とは異なり、頻繁に人が入れ替わるためにメンバー間の長期的な関係性が築きにくい地域の組合で、協力的な活動が維持されるのはなぜだろうか? その謎を解くカギはゲーム理論研究の成果に潜んでいる?



CREPEFR-2: 福島第一原発事故による避難指定区域外の「見えざる被害」に迫る
著者:川口大司(東京大学)・行武憲史(日本大学)

2018.10.24
福島原発事故のような、きわめて稀なケースであるが甚大な被害をもたらした災害による被害額は、どこまでを含めて試算すべきか?より広域・包括的に被害の実態を明らかにするためには、どのような工夫が必要なのか?



CREPEFR-1: ライフサイクルを通した医療費の定量的評価
著者:深井太洋(東京大学)・市村英彦(東京大学)・金澤匡剛(東京大学)
2018.10.24
人は一生の間、いつ、どのように健康リスクに直面し、どの程度の医療費が必要となるか。これをデータに基づいて、できるだけ正確に予測するためには、どのようなデータと分析手法が必要となるのか?