東京大学政策評価研究教育センター

CREPEコラム

このコーナーでは政策評価を行うことの意義や周辺情報についてのコラムを掲載しております(肩書は発表当時のものとなります)。

CREPECL-13: 社会問題の因果関係を解明する「自然実験」の確立:ノーベル経済学賞2021
川口大司(東京大学公共政策大学院・経済学研究科教授)
2021.12.22
カード、アングリスト、インベンスの三氏に贈られた2021年のノーベル経済学賞。受賞理由は「自然実験への貢献」だ。本稿では、三氏の研究内容のみならず、彼らが巻き起こした論争や、経済学のあらゆる分野にもたらしたインパクトとその意義を語るとともに、政策現場での活用に向けた展望を描く。


CREPECL-12: COVID-19下の求職市場――ハローワークの公開業務データからの考察
川田恵介(東京大学社会科学研究所准教授)
2021.10.1
長期にわたる新型コロナの影響は、人々の雇用にも及んでいる。本稿では、ハローワーク業務で蓄積され、毎月末に集計・公表される「求人・求職・新規就職件数」のデータを活用し、新規雇用の「量」だけでなく「質」にも着目した分析を紹介(本分析は、筆者のウェブサイトで定期的に更新する)。


CREPECL-11: どのような企業がコロナ支援策を受けたのか?
星岳雄(東京大学大学院経済学研究科教授)、川口大司(東京大学公共政策大学院・経済学研究科教授)、植田健一(東京大学公共政策大学院・経済学研究科教授)
2021.5.31
CREPEと株式会社東京商工リサーチはコロナの影響に関する企業アンケートを共同で実施し、その結果とTSR企業データを組み合わせ、政府の様々な企業支援策をどのような企業が受けているのかを分析した。分析の結果、コロナ禍での売り上げ減少が同等でも、感染拡大前に評点が低かった企業は高かった企業と比べ、政府の補助金や無利子・無担保融資に申請し受給した比率が高かったことがわかった。

CREPECL-10: 新型コロナ対策としてのマスク着用義務化――アメリカの政策評価と日本への示唆
笠原博幸(ブリティッシュコロンビア大学経済学部教授)
2020.8.6
感染拡大抑制のための政策介入は、多大な経済的被害をもたらしている。果たして、それらの政策には本当に効果があるのか? どの政策がより効果的なのか? 本コラムでは複雑な政策の影響の因果効果を厳密に評価した研究を紹介。あわせて日本の現状分析と展望を解説する。


CREPECL-9:感染拡大を防ぐ行動制限のトレードオフ――Google位置情報と倒産履歴から探る経済的影響
宮川大介(一橋大学大学院経営管理研究科准教授、東京大学大学院経済学研究科附属政策評価研究教育センター招聘准教授)
2020.5.18
新型コロナ感染拡大を防ぐための外出自粛や休業要請には、疫学的な正の効果と経済への負の影響があり、政策決定の議論では短期・長期の両面でそれらに目を配ることが重要だ。本コラムでは、人々の動きの変化と倒産データから経済への影響を吟味したうえで、継続的な経済分析の重要性を説く。


CREPECL-8: COVID-19が求職・求人マッチングに及ぼす影響
川田恵介(東京大学社会科学研究所准教授)
2020.5.12
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とその対策が、経済に影を落としている。本稿では労働市場、特に求職・求人の動向を中心に、足元の動向を探る。そして今後、サービス業など特定の業種や女性により深刻な影響が及んでいく可能性を指摘し、望まれる政策対応の方向性を示す。


CREPECL-7: 新型コロナ(COVID-19)危機が引き起こす格差の拡大
菊池信之介(マサチューセッツ工科大学経済学部博士課程)、北尾早霧(東京大学大学院経済学研究科教授)、御子柴みなも(東京大学大学院公共政策学教育部博士課程)
2020.5.8
新型コロナウィルス感染拡大により経済活動が大きく収縮しており、特に対人的で勤務場所に融通の効かない仕事に就く人々が大きな影響を受けている。本コラムでは、労働者の詳細なデータからそうした人々の特徴を浮き彫りにし、所得格差拡大への警鐘を鳴らす。


CREPECL-6: 新型コロナショックと東日本大震災に対する消費・物価の反応
渡辺努(東京大学大学院経済学研究科教授)
2020.5.1
日本で新型コロナウィルス感染拡大が本格化して約2カ月。この間、人々の消費はどう変わり、どんな産業への影響が甚大なのだろうか? クレジットカード取引履歴データを活用して消費や物価の変動を明らかにし、3.11との比較を通じてコロナショックの特徴を浮き彫りにする。


CREPECL-5: 消費統計の精度向上に向けて――総務省統計局・統計研究研修所との共同研究
川口大司(東京大学大学院経済学研究科教授/附属政策評価研究教育センター長)
2019.10.3
2019年実施の全国消費実態調査(全国家計構造調査に改称)に向けて、特に日本全体の分布との統計上のズレを改善し、精度をより向上させるために総務省とCREPEによる共同研究が行われた。本コラムでは、実際にプロジェクト参加した川口センター長が、その概要や行政との共同事業についての展望などを語る。


CREPECL-4: エビデンスとは何か?――EBPM推進に必要なもの
山口慎太郎(東京大学大学院経済学研究科准教授)
2019.7.12
「EBPM推進!」「データが重要!」と言われても、実際にどうすればいいかはなかなかわからないし、闇雲に調査すればよいというものでもない。本コラムでは分析に入る手前の「エビデンスとは何か?」「エビデンスを蓄積するにはどうすればいいのか?」といった問題ついて解説する。


CREPECL-3: CREPE設立1年を迎えて
川口大司(東京大学大学院経済学研究科教授/東京大学政策評価研究教育センター副センター長)
2019.2.6
EBPM(実証結果に基づく政策形成)への動きが加速するなかで、2017年10月に発足したCREPE。発足後1年間の活動を振り返り、望ましい政策形成や、政策現場と研究現場の協働、CREPEが担うべき役割についての展望を、川口副センター長が語る(2018年11月13日収録)。


CREPECL-2: エビデンスに基づく政策形成の実践に向けて
川口大司(東京大学大学院経済学研究科教授/東京大学政策評価研究教育センター副センター長)
2018.11.8
日本でもエビデンスに基づく政策形成(EBPM)の重要性が認識されつつあり、政府でも注目が集まり、様々な取り組みが企図されている。またそれを後押しする動きも拡大しており、CREPEもその1つである。本コラムでは、EBPMの意義と導入に向けた課題を指摘し、今後の展望をまとめる。


CREPECL-1: EBPMの推進に向けて:実証結果に基づく政策形成の重要性
市村英彦(東京大学大学院経済学研究科教授/東京大学政策評価研究教育センター長)
聞き手:松多秀一(内閣府経済社会総合研究所景気統計部長〔前政策統括官(経済社会システム)付 参事官(総括担当)〕)

2018.11.8
本コラムでは、エビデンスに基づく政策形成(EBPM)の意義とその最近の動向、行政と学界との望ましい役割分担などを中心に、2017年のCREPE設立前に市村・川口両氏らと内閣府が共同で行った生活保護受給者への就労支援施策の試行的分析にも触れつつ、EBPMの意義とCREPEが目指す方向についての市村氏へのインタビュー記事である。